日本の近代音楽の発展に大きな足跡を残したと言われる音楽家　下總皖一。
この優れた人物を顕彰するという目的で「下總皖一を偲ぶ会」を1987年に発足し、会員370名をもって、様々な活動を展開しています。
私達の活動によって、地味ではあるが誠実で、努力を怠らず自分に厳しい反面常に人や自然に対して優しい眼指を投げかけた生き方から、時代を越えて教えられるものを汲み取っていただけたらと思っております。

昭和62年（1987）埼玉会館と埼玉会館友の会が中心となって、埼玉が生んだ傑出した音楽家下總皖一を記念する「下總皖一音楽賞」の制定に動き出した。
その年、下總皖一生誕の地、大利根町に友の会からの働きかけによって下總皖一を顕彰する会の発起人会が作られ、「下總皖一先生を偲ぶつどい」が計画され80余名の実行委員会により7月5日につどいが開催された。下總の芸大時代の教え子である白鴎女子短大教授　鎌田弘子さんの講話「わが師下總皖一先生を語る」に続いて笹谷久美子さんのマリンバ演奏、持木弘さんのテノール独唱、持木文子さんのメゾ・ソプラノ独唱があり、町の体育館に千二百余人が集まる盛大な会となった。
この実行委員会が、会長を議会と行政に通じる柿沼長十郎氏にお願いして「下總皖一を偲ぶ会」となった。
初めのうちは、この顕彰会もなかなか理解されず苦しい時代もあったが、その後下總皖一の存在を原点として、町の行政の中心テーマが「童謡のふる里おおとね」と決まり、会も町との連携を密にして事業展開が行われるようになった。

毎年定期的にコンサートを実施、それに加え研修会、講演会、他団体との交流会、全国童謡唱歌サミットへの参加、音楽団体の立ち上げ支援、会報の発行など多彩な活動を行い会の発足以来21年が経過している。

町内外の会員数370余名によって下總皖一の業績や人となりに学びながら地道な活動を続けている。